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(6)分流器
電流計の測定範囲を拡大するために、電流計に並列に接続する抵抗を分流器をといい、分流器を接続した後の最大測定値と電流計自身の最大測定値との比を倍率という。計器Mの内部抵抗をr、最大測定電流をiとし、分流器の抵抗をR、流人電流を1とすると、測定端子間の電位差は電流計のブランチでri、分流器のブランチで(I−i)Rとなり、両者は互いに等しいから、

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が得られる。この式から

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が測定可能な電流の倍率をなる。

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演習問題
フルスケール1mA、内部抵抗30Ωの電流計で最大1Aまで計りたい、どのような結線にすれば良いか。分流器の値も求めよ。

 

(7)倍率器
電圧計の測定範囲を拡大するために電圧計に直列に接続する抵抗のことである。電圧計と言っても、電流計と抵抗が直列に接続されていて、抵抗を通って流れる電流で計器の針をふらせ、その電流値と直列抵抗の値を掛けたものが目盛ってあるものである。従って、電流計の内部抵抗を含む直列抵抗をr(これだけで電圧計となる。)、それに直列に加える抵抗(倍率器)をRとすると、被測定電圧Eに対して、流れる電流Iは

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となり、このときの電圧計の測定電圧EvはIrであるから、

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が得られる。この比があたえられた電圧計に対して倍率器を直列に加えたときの測定電圧の拡大率である。

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